筋膜リリースとは
筋肉や骨、内臓だけでなく、神経や血管など、身体のあらゆる部品を個別に包みながら繋げている薄い膜のことで、それぞれの部位が、あるべき場所に適正に位置するよう支えつつ、衝撃などから保護をしています。
筋膜は、“コラーゲン“と”エラスチン“という二つのたんぱく質繊維が、網目状に絡み合いながら、三次元のネットワークとして、一枚続きで全身に張り巡らされており、「第二の骨格」とも呼ばれる重要な役割を担っています。
“コラーゲン“は伸縮性が少なく、“エラスチン“は約2.5倍にもなるほどの伸縮性に富んでいるという性質があり、よく動かす場所のエラスチンはよく伸びますが、あまり動かさない場所は、コラーゲンがエラスチンにまとわりついて、ヨレたまま凝縮します。そして、その凝縮を起こした筋膜同士が接すると、癒着を起こすのです。また、1箇所が癒着することで、一枚続きの筋膜は、全身のバランスを崩していきます。
全ての物事において、便利で手間がかからなくなった現代人は、仕事や趣味、日常生活のクセなどで、同じ姿勢で過ごす時間が多く、筋膜を固くよれさせ縮めたままの状態にしています。
それが、コリとなり、痛み、疲労感などの原因となっていくのです。
そのような状態のまま運動をしても、筋肉が持つ本来の動きができず、また、癒着箇所は、血液やリンパ液などが流れが悪くなるので、脂肪の代謝も上がらず、思うような運動の結果が得られない原因となります。
筋膜の癒着は自然には取れません。また、一部の癒着を取っただけでは、全身のバランスが整うわけではないので、癒着を起こした時とほぼ同じ状況で生活することになり、またすぐ癒着を起こします。
正しい知識を持った施術者の手で、表層だけでなく、深層まで、きちんと全身の癒着を取ることが重要なのです。